なぜ仙骨にカイロを貼ると暖かいのか?

なぜ仙骨にカイロを貼ると暖かいのか?

ここでは、仙骨にカイロを貼るとカラダが温まる理由について説明します。

→体温調節について

まず、解剖学的な位置関係を説明し、
次に、生理学的な話をしていきます。

理由1:仙骨と血管の距離が近い!

まず、1つ目は仙骨という骨の形状が関係します。

仙骨という骨(コツ)は、骨自体が扁平で前後に薄い骨であるため、
血管との距離が近くなります。

 

下の図の断面図を見て、
上位の腰椎と仙骨の差が分かると思います。
(図の印L1,L2,L3,L4,L5が腰椎S1,S2が仙骨:その下の骨も仙骨と尾骨)

(断面の位置により、動脈(図:赤色)、静脈(図:青色)も切断されてますが、実際は、その先も繋がって下降していきます。)

ここで、注目して見て欲しいのは、前後の骨の長さです。
間の空間には、脊髄という神経が走行します。

例えば、
L4の数字の書いてあるところを見ると、
前方(左側)に、赤い動脈が位置し、腰椎(L4の数字の骨)→椎孔(L4後ろの空洞)→腰椎棘突起脂肪組織+皮膚

と、あるのに対して、

仙骨(図のS1,S2より下)の前後の距離は、とても短いです。
腹大動脈は、脊椎の前方を走行するため、赤の動脈が常に骨の前にあるとイメージしてください。

 

また、仙骨だけでなく、
仙骨周囲の組織が少ないことも関係します。

仙骨には、仙腸靭帯や仙結節靭帯、胸腰筋膜など付着しますが、
体表から仙骨が触れるように、

骨と皮下組織までの距離も短いため、

カイロを外から貼っても、
熱伝導が届きやすくなります。


理由2:太い血管を温めるから

仙骨にカイロを貼って、全身が温まるもう一つの理由としては、
仙骨前面にある総腸骨動脈太い血管だからです。

血管の解剖学的特徴として、心臓に近い血管ほど太く大きく
心臓から離れた血管ほど細く小さい特徴をもちます。

 

心臓から出た血液は、当然ながら血管の中を通りますが、
この血管の名称を分類すると

動脈→(細動脈→)毛細血管→(細静脈→)静脈

の順に通り、再び心臓へ戻ります。

 

骨盤・下肢への血液は10%と言われていますが、
(→各種循環系の血液分布の%はこちら)

胸大動脈腹大動脈から繋がる総腸骨動脈は、

のちに、
膀胱や生殖器への血液分布や、
大腿動脈足背動脈など下肢全般の動脈へ枝分かれしていく
根元の動脈となるため、

全身に冷たい血液が流れるか?温かい血液が流れるか?
温めの差が著名に出てきます。

理由3:熱放散を調節する生理的な仕組み

実は、体温が外気に奪われる前に、太い血管を温めることは、
熱量が奪われる前に、再び心臓へ戻るため、体温維持に繋がるため

結果的に中枢に近い血管を温めることで、
戻ってくる血液の温度高低差が少なくなるため、

末梢の血管を温めるより、早く体温回復がしやすくなります。

 

ただ人のカラダは、もっと面白い構造でできており、
対向流熱交換系という仕組みで、

熱放散量を減少させる役割を持っています。

対向流熱交換系とは?

対向流熱交換系とは、寒冷時に血管が収縮して、皮膚表面へいく血流を減らすことで、
動脈と深在静脈との間で熱交換が多くなること。

つまり、
動・静脈との間でも、輻射・伝導・対流による熱交換が行われ、
熱を体外に出にくい仕組みをカラダが自動的に勝手に行ってくれるということです。

 

カラダ、って不思議ですね。

 

カラダの温度差を平均化してくれるのは、血液ですが、
熱の発生は、また別の話になります。

ちなみに、カラダの温度も均一でなく、
筋肉や肝臓など代謝が盛んなところでは高く
皮膚や骨は低いことも知っておきましょう。

 

自分のカラダと向き合い、
自分自身のカラダの調節機能の凄さを実感しましょう!

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